ヨドコウ迎賓館
(旧山邑家住宅)

※現在保存修理工事のため閉館中
◆開館日
 毎 土・日・水曜日と祝日
◆開館時間
 10:00〜16:00
 (入館は〜15:30)
◆入館料
 大人・大学生は500円
 小・中・高校生は200円
◆所在地
 〒659-0096
 兵庫県芦屋市山手町3-10
◆お問い合わせ
 淀川製鋼所 PRグループ
 TEL:06-6245-9103
 ヨドコウ迎賓館
 TEL:0797-38-1720

建物概要

国指定重要文化財
設計:フランク・ロイド・ライト
実施設計・施工監理:遠藤新・南信
設計年:1918年
竣工年:1924年
構造:鉄筋コンクリート
敷地面積:約5,200
建物面積:約359.1
延べ床面積:約542.43

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建設当初の電気設備

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    ヨドコウ迎賓館は大正13年頃に竣工しましたが、当時では珍しいオール電化の住宅でした。

    そのため、4階厨房の横に受電室と電気室があります。

    通常は公開していませんので、ご存知ない方も多いのではないでしょうか。

     

     

    保存修理工事とは直接関係ありませんが、今回はそこに残っていた建設当初のものと思われる電気設備をご紹介いたします。

     

    まずは受電室にあった配電盤です。

     

     

    そして電気室の分電盤です。

     

    受電室.jpg

     

    パネル部分が綺麗だと思っていたら、なんと大理石でした。

    日本製の配電盤・分電盤ができたのは明治時代のことで、最初は木の板が使われていましたが、その後昭和の中頃まで絶縁性に優れる素材として大理石がよく使われていたそうです。

    大理石といえば高価なイメージがあるので、このような人目につかない場所で使われれているのは、何だかもったいない気もしますね。

     

    当館が竣工した頃は、まだほとんどの家庭が薪で火を起こし、湯を沸かして調理していた時代です。

    ところがここでは、アメリカやドイツから輸入した炊飯器や冷蔵庫、瞬間湯沸かし器などが使われ、厨房器具のほか、暖房設備や掃除機などもありました。

    湯沸かし器でお湯が出るので、洗面所やお風呂の蛇口は2つあります。

     

     

     

    では、このような電化製品の源である電力はいったいどこから?

    驚くことに、ここからかなり離れた阪神電鉄と契約を結び、直接3,300ボルトの電気を引き込んでいたそうです。
    その電気を受電室に引き込み、変圧器によって110ボルトに変圧して使っていたんですね。
    昼夜間線(昼も夜も電気が供給される配線)と夜間線(夜だけ供給される配線)の2種を引き込むことで、どちらかが停電した場合でも直ちに切り替えられるようにしていたそうです。

     

     

    今回の保存修理工事では、電気容量を拡大してエアコンの増設や、期間限定になるかもしれませんがライトアップの再開などを計画しています。

    上の写真は十数年前にライトアップを行っていた時のものです。

    再開にあたっては、照明をLEDに変更するとともに、照明の数や照度を調整して、もう少し落ち着いた雰囲気にする予定です。


    実はこれらの線の引き込みに受電室・電気室を利用する予定で、分電盤はそのまま残しますが、配電盤は処理を検討していました。

    しかし現在このような配電盤はあまり残っていないようですので、一般公開を再開する時に、館内のどこかで展示できないか検討しています。

     

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    大阪城の残念石

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      皆さんは「残念石」をご存知でしょうか?

       

      豊臣秀吉の居城として建築された大阪城。

      大阪冬・夏の陣で落城した後、徳川幕府によって再建されました。

      その再建工事の際に、石垣に使用するため切り出された石のうち、何らかの理由で使われることのなかった石のことを「残念ながら城の石垣になれなかった石」ということで「残念石」と呼びます。

       

       

      残念石は西日本を中心として各地に点在していますが、その内の一つが当館のすぐ下の空き地にあります。

      上がその写真です。

       

      中央に歯型のような跡があるのが分かりますでしょうか?

      これは矢穴と呼ばれ、巨大な石を切断するために掘られたものです。

       

      当時は切断するための重機がありませんでしたので、職人が道具を駆使して石を必要な大きさに割っていました。

      分断したい箇所にこのような穴を掘り、そこに楔(くさび)を打ち込んで石を割ります。

       

      大阪城に限らず、城の石垣をよく見ると、たまに同じような跡がついた石があったりします。計画が途中で変更になった等、何らかの理由で、割られずに矢穴だけ残った石ということですね。

       

       

      当館の近くだけでなく、芦屋には同様の残念石が複数あります。

      上の写真は阪急芦屋川駅からルナホールへと向かう途中、松ノ内花壇の中にある残念石です。

      昔は六麓荘付近に石切丁場があったようで、そこから大阪へ運ぶ際に落ちたものだと考えられています。(落城を連想させることから、運搬時に落ちた石はそのままにされることが多かったそうです)

       

      芦屋にお越しの際には探してみるのも楽しいかもしれませんね。

       

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      工事だより vol.6

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        前回の工事だよりvol.5でお伝えした飾り石の補修の続報です。

        もしお時間があれば前回の内容を踏まえた上で読んでいただけると、より分かりやすくなるかと思います。

         

        【儀拭

        DSC00221.JPG

         

        【況拭

        ヨドコウ迎賓館 (40).jpg

         

        当館の飾り石には上の写真の通り【儀拭曄抬況拭曚裡下鑪爐△蠅泙垢、どちらも大谷石の砕石、砂、セメントを混ぜて作られています。

        しかし、経年によって剥落・剥離している箇所が多く見受けられました。

         

        そのため、補修にあたって、まず耐久性を高めるために材料や配合比率、仕上げ方などを見直しました。

        ここまでが前回のブログの内容です。

         

        材料の検討が終わり、先に【況拭曚了楾方法が決まりましたので、2つのケースに分けてご紹介します。

         

        1.破損がひどく全体を復原する必要がある場合

         

        全体を3つのパーツに分け、現場施工と、前もって部材を製作して現地で取り付けるプレキャストの、2つの方法を組み合せて対応することになりました。

         

         

        最も大きいパーツ,蓮現場で型枠を取り付けて施工します。

         

        パーツ

        擬石1.jpg

         

        パーツ〕 型枠部材


        型枠取り付け

         

        型枠取り付け完了

         

        取り付けられた型枠の中に、大谷石の砕石、砂、セメントを混ぜた材料を流し込み、材料が固まったら、表面にサンドペーパーをかけて風合いを出します。

         

        残りのパーツ2種類も、それぞれの型枠に材料を流し込んで作ります。

        現場施工ではなく、こちらはプレキャストでの対応です。

         

        パーツ

        擬石2.jpg

         

        [左]パーツ⇒ 型枠 [右]完成した部材

        ?型枠.jpg?.png

         

        パーツ

        擬石3.jpg

         

        [左]パーツM 型枠 [右]完成した部材

        ?型枠.jpg?.png

         

        ´↓すべてのパーツを組み立てると、このようになります。

         

         

        2.部分的な補修を行うケース

         

        部分的な補修の場合は、左官もしくは補修する場所に合わせてパーツのサイズや形を加工して対応します。

         

        補修場所に合わせて加工されたパーツ

         

        パーツ取り付け

         

        以上が、今行っている補修の内容です。

         

        今回ご紹介したのは【況拭曚任垢、こちらは建築当初からのものが比較的残っており、部分的な補修が多くなりそうです。

        一方【儀拭曚藁化が激しいため、現時点での補修は部分的なものにとどめ、今回使用した配合の耐久性を観察した上で全数の補修を行う予定です。

         

        全部で177個ある飾り石ですが、このように一つ一つ手を尽くしながら補修を行っています。

        すべての飾り石の補修が完了するのはまだまだ先になりますが、作業の進捗については随時こちらのブログでご紹介してまいります。

         

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