ヨドコウ迎賓館
(旧山邑家住宅)

※現在保存修理工事のため閉館中
◆開館日
 毎 土・日・水曜日と祝日
◆開館時間
 10:00〜16:00
 (入館は〜15:30)
◆入館料
 大人・大学生は500円
 小・中・高校生は200円
◆所在地
 〒659-0096
 兵庫県芦屋市山手町3-10
◆お問い合わせ
 淀川製鋼所 PRグループ
 TEL:06-6245-9103
 ヨドコウ迎賓館
 TEL:0797-38-1720

建物概要

国指定重要文化財
設計:フランク・ロイド・ライト
実施設計・施工監理:遠藤新・南信
設計年:1918年
竣工年:1924年
構造:鉄筋コンクリート
敷地面積:約5,200
建物面積:約359.1
延べ床面積:約542.43

links

ライトツアー4日目

0

    早朝にオークパークを散策した後、ホテルから大型バスで、プレーリーハウスの最高傑作といわれるフレデリック・C・ロビー邸に向かいました。

     

    バスから撮ったシカゴのビル街です。

    天気も良く、緑も多くて綺麗でした。

     

    1.JPG

     

    ロビー邸はシカゴ大学のキャンパス内にあります。

    その前に同じキャンパス内にある、ガラス張りでドーム型の図書館の外観を見学。ライトの設計ではありませんが、近未来的で目を引く建物です。

     

    シカゴ大学

     

    そしていよいよロビー邸に到着しました。

     

    ロビー邸

     

    想像していた以上の豪邸です!

    道路の反対側から撮りましたが、建物が横に長いため、正面からでは普通のレンズで撮ろうとしても1枚に収まりません。

     

    ロビー邸

     

    上の写真は良く目にする写真ですね。

    街路樹があるため、建物だけを撮ろうとするとこの角度になります。

     

    大きく張り出した屋根や、壁の白いラインが横の拡がりを強調しているので、この写真を見る限りではそれほど大きさを感じませんが…実際に見てみるとかなり大きな建物です。

     

    ロビー邸

     

    壁にはレンガが使用されています。

    このレンガをよく見てみると、目地の縦の部分だけ赤く塗られています。

     

    横の白いラインを強調するためですが、目地の縦ラインは一直線になっていませんので、塗る手間を考えると気が遠くなりそうです。

     

    見学ツアーの開始まで時間があったので、ショップで時間調整をしました。

    ここはもともとガレージだったようで、2階は使用人の部屋になっていたそうです。

     

    ロビー邸

     

    玄関は建物の裏にあり、周辺の道路からはすぐにはわかりません。

    写真の右側が表通りで、左側の奥が入口です。

    このように、入口が狭くて目立たないところに造られているのもライト建築の一つの特徴ですね。

     

    ロビー邸

          ↑入口              →表通り

     

    玄関から建物に入ると、やはり天井はかなり低くなっています。

    天井の階段部分は、上がる時に頭を打たないよう丸くカットされていました。

     

    ロビー邸

     

    階段を上がると、明るく広々した空間が広がっていました。

     

    階段を中心に、西側がリビングルーム、東側がダイニングルームになっていて、下の写真はリビングルームの北西側です。

     

    ロビー邸

     

    こちらは南側です。

    大きな美しいステンドグラスの窓が並んでいます。

     

    窓の外にあるバルコニーの腰壁が道路からの視線を遮り、大きく張り出した庇は太陽光が部屋の奥に射しこむのを防いでいます。

    このように、プライバシーを確保しながらも景色の良い快適な空間が作られていました。

     

    ロビー邸

     

    そして中央にある暖炉です。

    暖炉の後ろに階段があり、その奥がダイニングルームになっています。

    壁はなく部屋がつながっているため、暖炉の上からもダイニングルームの天井が見えていますね。

     

    ロビー邸

     

    階段のダイニングルーム側にある作り付けの家具です。

    暖炉・階段・家具は一体になっていて、これがリビングとダイニングの間仕切りになっています。

     

    ロビー邸

     

    ダイニングルームです。

    ライト特有の、背もたれが高くて格子状になっている椅子も奥に置いてあります。“ロビーチェア”として有名ですね。

     

    ロビー邸

     

    折り上げ天井の低くなっている部分には、変わったデザインの木がはめ込まれ、ダウンライトになっています。

     

    ロビー邸

     

    ご夫妻の寝室です。

    やはり美しいステンドグラスが並んでいます。

     

    ライトは、住宅や道路が近接しているところではステンドグラスを使用し、自然に囲まれたところでは、室内からも景色を楽しめるよう透明なガラスを使用することが多かったようです。

     

    ロビー邸

     

    いかがでしたでしょうか?
    直線的なデザインが多く、いかにも“ライト”という建物でした。

     

    専門的なことはわかりませんが、全体的にゆったり作られていながら、プラベートスペースには程良い狭さもあり、居心地の良さそうな住宅でした。
    ロビー家は14ヶ月間しか住まなかったそうですが、もったいないですね。
     

    この後は、ライトと同じ近代建築の三大巨匠の一人であるルードヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエの建築を見学しました。

    その内容は次回ご紹介いたしますので、お楽しみに。

     

    このエントリーをはてなブックマークに追加

    保存修理工事見学会のご報告

    0

      11月3日(金・祝)4日(土)に、ヨドコウ迎賓館保存修理工事見学会を開催しました。

       

      2日間とも天気に恵まれ、すっきりとした秋晴れでした。

      芦屋川沿いや当館の敷地内にも赤くなり始めた木々が見受けられ、ちょうど紅葉の見頃を迎えています。

       

      IMG_3790.JPG

       

      当日は10時から、13時半から、の2回の見学会を実施し、各回約20名の方にご参加いただきました。

       

      IMG_3833.JPG

       

      10名ずつ2班に分かれて、2階応接室と4階食堂から説明を開始。

      当館の来歴・全体的な特徴や今回の工事の概要について説明した後、館内を移動し各ポイントでそれぞれの特徴や工事の状況を説明しました。

       

      IMG_3884.JPG

       

      3階の和室では、畳や床板を外した状態をご覧いただきました。床下を見ていただく機会はなかなかありません。
      また東側のバルコニーには、床に使用されている装飾を施した大谷石の敷石を展示しました。

       

      IMG_3804.JPG

       

      3階子ども部屋には、当館の建設当初の模型と今回の工事の概要を説明したパネルを展示しました。

       

       

      4階南側バルコニーです。

      最表層の保護モルタルとその下の防水層をはがした状態で、コンクリートが露出しています。

       

      工事開始前にはここから芦屋市街の景色をご覧いただけたのですが、現在は足場や素屋根のテントで覆われています。

      以前にこちらのブログでもご紹介したように、この足場・素屋根には工夫が施されていて、外側からだとテントに隠れて見えませんが、内側からだと分かりやすいかと思います。

       

      IMG_3854.JPG

       

      今回の見学会では通常は公開していない場所もご覧いただきました。

      上の写真はどこか分かりますでしょうか?

       

      答えは4階食堂横の厨房奥の扉です。今回特別に中に入っていただきました。

      この扉は使用人室や洗濯室・使用人用のトイレに繋がっていて、勝手口に降りる階段もあります。

      使用人が主人やゲストと顔を合わせずに仕事ができるよう動線が分かれているのです。

       

      普段は公開していない場所をもう一つ。

       

      IMG_3813.JPG

       

      4階食堂東側バルコニーです。

      通常公開しているのは先程もお見せした南側バルコニーです。

       

      ここには大谷石で出来た階段があったのですが、工事のため解体して、現在はコンクリートのスロープになっています。(写真の右側は工事用の仮設階段)

      上の写真のスロープの上にあるのが、階段に使われていた大谷石です。三角柱の形をしています。

       

       

      このスロープにアスファルト防水を施し、その上に三角形の大谷石を下から順番にモルタルで固定していきます。

      主に意匠やコストの問題でこのような形状にしたと考えられています。

       

      IMG_3869.JPG

       

      2階の応接室では、質の異なる数種類の大谷石や、補修のために配合を見直している飾り石の材料である山砂や砕石、サンプルとして製作した飾り石用の部材、工事の写真等を展示しました。

      飾り石のサンプルについてはこちらのブログでもご紹介しています。

       

      山砂や砕石のサンプル

       

      約60分解説をしながら館内をまわり、その後30分ほど自由に館内をご見学いただき、90分の見学会は終了です。

       

      参加者の方々は皆さまとても熱心にご見学され、建築関係の方が多かったせいか、専門的な質問もたくさんいただきました。

      当日いただいていない質問等がございましたら、お気軽にコメントにてお問い合わせいただければ回答させていただきます。
       

       

      今回は、初めての工事見学会ということもあってか予想以上のご応募をいただき、各回とも抽選となってしまいました。

      今後もこのような見学会を開催する予定ですので、今回はご参加いただけなかった方も是非またご応募ください。

      予定が決まりましたらホームページ、ブログ、Facebook等でお知らせいたします。

       

      このエントリーをはてなブックマークに追加

      ライトツアー4日目

      0

        オーク・パークは、ライトの建築が最も多く集まっている場所です。

        公園の水飲み場を含めると初期の作品が27件あります。

         

        この日はオーク・パーク内のホテルに宿泊していましたので、せっかくの機会と地図を片手に朝6時前から散策してみました。

        一帯は閑静な住宅街で、緑に囲まれた素晴らしい環境でした。

         

        時間がなくて一部しか見学できませんでしたが、写真をご覧ください。
         

        ロバート・P・パーカー邸

        ロバート・P・パーカー邸(1892年)​

         

        トーマス・H・ゲイル邸

        トーマス・H・ゲイル邸(1892年)

         

        同時期に建てられたこの二つの家は外観がとてもよく似ており、八角形の構造が特徴的です。

        間に一軒挟んでいますが、夜だったら間違えてしまいそうです。

         

        ウォルター・H・ゲイル邸

        ウォルター・H・ゲイル邸(1893年)

         

        こちらも初期のライトの作品で、急勾配の屋根と円柱のホールが特徴です。

         

        ネイサン・G・ムーア邸

        ネイサン・G・ムーア邸(1895年)

         

        一度火事で再建されたそうですが、鋭い屋根の角度と迫り出したバルコニーが印象的でした。
        正面からは見られませんでしたが、やはり左右対称の造りに見えます。 
         

        フランク・W・トーマス邸

        フランク・W・トーマス邸(1901年)

         

        アーチ型の玄関、せり出した庇が特徴で、遠目で見ても窓ガラスの装飾の細かさに驚きます。

        この頃にはプレーリースタイルらしさが出てきています。

         

        アーサー・B・ヒュートレイ邸

        アーサー・B・ヒュートレイ邸(1902年)

         

        煉瓦の壁、アーチ型の玄関、庇付近までの連続窓が特徴的でした。

         

        エドワード・R・ヒルズ邸

        エドワード・R・ヒルズ邸(1906年)

         

        ピーター・A・ピーチ邸

        ピーター・A・ピーチ邸(1906年)

         

        ウィリアム・H・コープランド邸

        ウィリアム・H・コープランド邸(1909年)

         

        コープランド邸は、1870年代に建てられた家を1909年にライトが外観の一部と内装をリフォームしたものだそうです。

         

        今回巡った作品以外も含めて、オーク・パークにあるライトの作品を地図にまとめてみました。

        徒歩ですべてを見るには2〜3時間かかりそうです。また、"ライト風"の建物も多く、探すのに少し苦労しました。

         

        オークパーク ライト建築

         

        オーク・パークにあるのは、ほとんどが1890〜1910年頃の作品です。

        中には「これがライトの作品か?」と思うような住宅もあり、ここから“有機的建築”が始まったのかと思うと、感慨深いものがありました。

        ライトファンなら一度は訪れたい場所ですね。

         

        アーネスト・M・ヘミングウェイの生家

         

        それから、ライトの設計ではありませんが、ホテルの近くにノーベル賞作家のアーネスト・M・ヘミングウェイの生家がありました。オークパークの出身だったのですね。

        近くにミュージアムもあり、ガイドツアーが行われているようです。

         

        この日はこの後、プレーリースタイルの代表作、ロビー邸を訪れました。

        次回にご紹介します。

         

        このエントリーをはてなブックマークに追加
        | 1/26PAGES | >>