ヨドコウ迎賓館
(旧山邑家住宅)

※現在保存修理工事のため閉館中
◆開館日
 毎 土・日・水曜日と祝日
◆開館時間
 10:00〜16:00
 (入館は〜15:30)
◆入館料
 大人・大学生は500円
 小・中・高校生は200円
◆所在地
 〒659-0096
 兵庫県芦屋市山手町3-10
◆お問い合わせ
 淀川製鋼所 PRグループ
 TEL:06-6245-9103
 ヨドコウ迎賓館
 TEL:0797-38-1720

建物概要

国指定重要文化財
設計:フランク・ロイド・ライト
実施設計・施工監理:遠藤新・南信
設計年:1918年
竣工年:1924年
構造:鉄筋コンクリート
敷地面積:約5,200
建物面積:約359.1
延べ床面積:約542.43

links

工事だより vol.1

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    いよいよ11月から保存修理工事が始まりました。

    これからこのブログでは『工事だより』として工事の様子や進行状況をお知らせして参ります。

     

    DSC01677.JPG

     

    工事の現場事務所が、駐車場の一角に設置されています。

    現在は調査や工事の準備を行っており、本格的な工事はこれからです。

     

    来年1月からは素屋根の工事が始まるため、11月に閉館したあとも敷地の外からご覧いただけていた当館の外観もいよいよご覧いただけなくなります。

     

    DSC01680.JPG

     

    上の写真は、門からのアプローチです。

    写真ではわかりにくいかもしれませんが、落葉とどんぐりがいっぱいで、何気なく歩いていると足を取られて転びそうになります。

    掃除は大変ですが、秋の深まりを感じる光景ですね。

     

    現在の調査でもいろいろ発見があるようで、フランク・ロイド・ライト設計の当館の構造について、今後このブログでも新しい情報をご紹介できると思います。

    ときどきブログをチェックしてみていただけると嬉しいです。

     

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    ヨドコウ迎賓館設計の経緯

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      当館は大正7年に灘の酒造家、八代目山邑太左衛門の別邸として設計されました。

      今回は、フランク・ロイド・ライトがこの建物を設計した経緯についてご紹介します。


      ライトの日本での業績は、東京に帝国ホテル・林愛作邸・自由学園明日館、神奈川県に福原有信邸、そして兵庫県に山邑太左衛門邸となっていて、山邑邸以外は全て関東です。
      一軒だけ関西にポツンとありますので、不思議に思われる方がいらっしゃるようで、時々ご質問をいただきます。

       

      ヨドコウ迎賓館

       

      さてその経緯ですが、山邑太左衛門の長女のご主人である星島二郎(ほししま にろう)が仲介役となったようです。

      星島二郎は東京帝国大学卒業後、弁護士の傍ら犬養毅の秘書として政治を学び、後に政界入りして衆議院議長を務めた人物です。

       

      星島二郎

      東京帝国大学在学中に、同じ大学で建築を学んでいた遠藤新と基督教青年会館で知り合い親友になりました。

      余談ではありますが、遠藤新の奥さまは星島二郎が紹介したそうです。二人の仲の良さを感じさせるエピソードですね。

       

      星島二郎は舅である山邑太左衛門から別邸建築の相談を受け、当時帝国ホテルの建築に携わっていた遠藤新を通じてライトに設計を依頼することにしました。二人で一緒にライトの事務所を訪問したそうです。
      設計の依頼を受けたライトは芦屋を訪れ、「芦屋川と芦屋浜の見えるあの丘に大変興味を持ち、自ら設計を引き受けてくれた」と星島二郎が後に語っています。


      以前にこのブログでも遠藤新がライトに出会った経緯をお伝えしましたが、その縁が遠藤新の親友・星島二郎、星島二郎の舅・山邑太左衛門と繋がって、この芦屋での設計に至ったというわけです。人の縁というものは不思議なものですね。

       

       

      ライトの日本での業績は、福原有信邸は関東大震災の被害で取り壊され、帝国ホテルは不同沈下や雨漏りなどのために解体されてエントランス部分のみ明治村に移設され、林愛作邸はほとんど改築されて当時の姿を残すのは1室だけとなっています。

      現在、建築当初の姿をほぼそのまま留めているのは、当館と東京・池袋にある自由学園明日館だけになってしまいました。


      ライトの建物が、たまたま関東と関西に一つずつ残ったわけですが、考えたらこれは大変意義のある事かもしれません。
      大きな災害があっても、どちらかが残る確率は高くなりますし、見学という面においても、幅広い地域の方にご覧いただきやすくなります。
      また、当館はライトの業績では数少ないシェルター型の住宅で、明日館は逆に代表的なプレイリースタイルの学校建築です。このように全くタイプの異なる建物が残ったことも、ライト建築の多様性の一端に触れることができて幸運なことだったのではないでしょうか。

       

      自由学園明日館

      【自由学園明日館】

      プレイリースタイルとは、ライトが考案した、アメリカの広大な草原と一体となるよう、緩やかな勾配の屋根と水平方向に伸びた深い軒で構成された住宅様式のことです。

       

      ヨドコウ迎賓館 俯瞰

      【ヨドコウ迎賓館】

      プレイリースタイルとは異なり、避暑を目的としたシェルター型の鉄筋コンクリート造の住宅建築。

      ライトが訪れた日は夏の暑い日だったことから、芦屋を亜熱帯地域だと理解して設計したと考えられています。

       

      ただいま当館は保存修理工事のため閉館しており、約二年間は残念ながらご見学いただくことが出来ませんが、一般公開が再開された際には是非足を運んでいただき、明日館や他のライト建築と見比べてみていただければと思います。

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      開森橋渡り初め

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        芦屋川の上流、フランク・ロイド・ライトにちなんで名付けられたライト坂のふもとに架かる開森橋(かいもりばし)の架け替え工事が完了し、11月5日(土)に渡り初め式がありました。開森橋は当館の南側に位置し、駅から徒歩で当館に来られた方はおそらく渡ったことがある橋だと思います。

        式典では芦屋市長の挨拶や、テープカット、山手中学校吹奏楽部の演奏などが行われ、市民の皆さまが橋の上を渡りました。

         

        芦屋 開森橋

         

        開森橋は歴史のある橋で、1938(昭和13)年の阪神大水害では付近の堤防が壊れ、その様子は谷崎潤一郎の『細雪』にも描写されています。その後1953(昭和28)年に架け直されましたが、経年劣化による老朽化や耐震性の問題は避けられず、2年前より3度目の工事が行われていました。

        今回、橋から見える当館の外観の色に合わせるために、橋の高欄はやわらかい色合いの黄竜石(こうりゅうせき)が使われ、淡い黄色にするなど周囲との景観に配慮されたそうです。

         

        芦屋 開森橋

         

        芦屋川の桜

         

        このあたりから当館の方を望むと、下を流れる芦屋川はもちろん、春には桜の花、秋には紅葉が見事です。芦屋市長もご挨拶で言われたそうですが、これまでは開森橋から景色を楽しまれていた方が多い印象でしたが、今後は開森橋も景色の一部として楽しんでいただければと思います。

        当館は保存修理工事中のため閉館中ですが、こうして芦屋の風景の一部としてもお楽しみいただければ嬉しいです。

         

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