ヨドコウ迎賓館
(旧山邑家住宅)

※現在保存修理工事のため閉館中
◆開館日
 毎 土・日・水曜日と祝日
◆開館時間
 10:00〜16:00
 (入館は〜15:30)
◆入館料
 大人・大学生は500円
 小・中・高校生は200円
◆所在地
 〒659-0096
 兵庫県芦屋市山手町3-10
◆お問い合わせ
 淀川製鋼所 PRグループ
 TEL:06-6245-9103
 ヨドコウ迎賓館
 TEL:0797-38-1720

建物概要

国指定重要文化財
設計:フランク・ロイド・ライト
実施設計・施工監理:遠藤新・南信
設計年:1918年
竣工年:1924年
構造:鉄筋コンクリート
敷地面積:約5,200
建物面積:約359.1
延べ床面積:約542.43

links

お花と迎賓館

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    当館には、花や置物などを飾ることのできるスペースがたくさんあります。竣工当時には屋上にプランターやフラワーポットもあったそうです。
    通常、女性スタッフが周辺の草花を館内に飾っていますが、2年ほど前から2カ月に1度、芦屋市在住のフラワーアーティストである岸本忍様に生け花をお願いしています。
    当館の幾何学模様の中に生けられたお花は、いつも心を和ませてくれます。これも、自然との融合を目指すフランク・ロイド・ライトの“有機的建築”の一つの要素なのかもしれません。

    今回は、今までと少し趣を変えて、お花と当館について岸本様とアシスタントの村田佳子様にお話を伺いました。
     
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    ― 改めまして、現在のお仕事の内容は?

    岸本:お花のレッスンと販売です。お店は1階がショップ、2階がレッスンスタジオになっています。レッスンは、普段の生活を楽しむコースや、花の先進国・オランダの国家認定資格であるDFA(Dutch Flower Arrangement)の取得を目指すコースなど、趣味からライセンスまで幅広くさせていただいています。イベントや結婚式用のお花なども作っています。

    ― お花を始めたきっかけは?

    岸本:以前OLをしていたのですが、その時にモデルルームを見る機会が何度もありました。そこに生けてあったお花が、他の調度品とのコーディネートもあってすごく素敵で興味を持ったことが最初のきっかけです。
    そして、女性の感性を活かした何かをしてみたいと考えたときに、仕事で接していて身近に感じていたお花を習ってみようと思いました。

    村田:友人のお宅にお邪魔したとき、岸本先生がデザインされたお花が飾られていたんです。そのデザインにすごく心を惹かれて、自分もお花に興味を持ち、レッスンを受けに行きました。オランダの国家認定資格も取得して、今はこうしてアシスタントとして働いています。

    岸本:私は始めたばかりの頃、なかなか上達しなくて…。両親からも「向いていないんじゃないか」と言われていました。ですので、初心者の方など、なかなか上手になれない方もいらっしゃるのですが、その方の気持ちがすごくよくわかります。
     
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    岸本忍様

    ― 上達の秘訣は?

    岸本:資格を目指すのでなければ、感性のまま好きなように楽しんでいただければ良いと思っています。ただ、この「好きなように」というのが難しいんですね。ご自分の感性をお花で表現できるようになっていただくためにレッスンをしていますが、最後はやはり“好き”という気持ちと“続ける”ことが大切だと思います。私もそれで、お花にかかわる仕事ができるまでになりました。レッスンをすることがすごく好きなのですが、こういった自分の経験したことを伝えたいという気持ちが、続けている大きな理由かもしれません。スクールを卒業した生徒さんが、それぞれお花を楽しまれていたり、活躍されている姿を見ると、とても嬉しいですね。

    ― お花の良さとは?

    村田:綺麗なのはもちろんですが、お花は生きているので“気”というかエネルギーを貰うことができます。仕事と家庭の間で大変なこともありますが、お花に触っているだけでとても元気になります。仕事の時間はいつもあっという間ですね。

    岸本:このお仕事は、花の良し悪しや作品の出来栄えなど結構ストレスや葛藤もありますが、私もお花を触っていると元気になりますね。レッスンは主婦の方が多いのですが、皆さんお元気で、お綺麗な方も多いです。これは、好きなものを触っているとか日常の生活から離れるということもあるのでしょうけど、お花から気をもらっているのも理由の一つだと思います。
     
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    左:村田佳子様 右:岸本忍様

    ― 迎賓館での生け花はいかがですか?

    岸本:このような場所でお花を生けるのは、すごく良い経験になっています。もともと、自然との調和を意識し、自然へのリスペクトをもってお花を生けていますが、フランク・ロイド・ライトの建築思想にとても共感します。作り込みすぎると雰囲気にそぐわなくなると思いますので、来館者の思いを大切に、建築の邪魔にならないよう気を付けています。お花があると部屋の雰囲気が全然違いますので、その空気感をうまく演出できたらと思っています。

    ― 館内で生けたい場や花は?

    岸本:たくさんありますよ。今よく飾っている受付の階段を上がった途中にある場所も良いのですが、和室の隣にある家族室や、玄関の水盤のような大谷石のコーナーなど、石と花とのコラボレーションができたら素敵ですね。10〜3月の花が長持ちする時期には、季節を少し先取りした花を飾り、夏にはその時期特有のグリーンと実のものを飾るのも良いかもしれません。そのままドライフラワーのようになって長く楽しめる花もありますので、いろいろ考えてやっていきたいと思っています。建物との調和を感じていただければ嬉しいです。

    ― 昨年館内でレッスンをしていただきましたが?

    岸本:私も生徒さんもすごくテンションが上がりました。このような素敵な雰囲気の中で生け花ができるのは、普段とは違うものを自分の中に感じることができて、生徒さんにとっても良い経験になったようです。ふんだんにお花を用意し、大谷石に似た大きな花器を持ってくるなど準備は大変でしたが、贅沢な時間を過ごすことができて、生徒さんには喜んでいただけましたし、私も嬉しかったです。他のお花の先生でも、この建物でのレッスンを希望されている方は多いのではないでしょうか。制約は多いと思いますが、今後も文化的な活用はぜひお願いしたいと思います。
     
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    昨年11月に行われたレッスンでの作品

    ― 当館は今後、様々なイベントを企画していこうと考えています。どのようなイベントを企画してみたいですか?

    岸本:イベントというほどではないかもしれませんが、いつもより特別に迎賓館全体をお花でトータルコーディネートするような企画をしてみたいですね。この建物はすごくお花が映えるので、来館された方も喜ばれるのではないかと思います。例えば応接室でしたら、小窓のところからグリーンを垂らしてみたり、暖炉を飾ってみたり…想像が膨らみます。雛祭りや秋のイベントに合わせて開催してみてはいかがでしょうか。

    ― ありがとうございました。
     
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    お二人ともとても華やかで、眩しい笑顔が印象的でした。お仕事に対しても凄く前向きで、言葉の端々からお花への愛情と情熱が伝わってきます。「お花からエネルギーをもらっている」とおっしゃっていましたが、我々スタッフもお二人からエネルギーをいただきました。
    さて、今回のインタビューでは「お花」というテーマを通して、いつもとは少し違う視点で当館を見ていただくことが出来たのではないでしょうか。今回お聞きしたお話を、今後の運営にも活かしていければと思います。まだ具体的な予定はありませんが、岸本先生がおっしゃっていたイベントもいずれ企画できたらいいですね。

    次回の岸本先生による作品の展示は10月31日からです。
    生花の展示に合わせてご来館いただき、季節のお花とライトのデザインによる心地良い空間を体験してみませんか?


    岸本忍様が主宰を務めるアーティフィシャルフラワースクール
    Shi's wish(シーズウィッシュ)
    http://www.dfa-kobe.jp/


     
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    ドラマ撮影

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      ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)で撮影されたドラマが、今月の19日(土)に放送されることになりました。そのドラマとは、土曜ワイド劇場の人気シリーズ「天才刑事・野呂盆六」(ABC・テレビ朝日系列)です。
      撮影自体は昨年末に行われていたのですが、ようやく皆様にお伝えすることができました。
      ただし、当館で撮影されたのはほんの数カットで、実際に放映されるのは恐らく数分あるかないかだと思います。
       
      門での撮影の様子
      ベランダからの撮影の様子

      当館が撮影場所に選ばれたのは、建物の外観もさることながら重厚な鉄の門が決め手になったようです。少々意外でしたが、関西ではこのような門を持つ住宅がなかなかないそうです。

      撮影は約3時間程度と短時間で終了しましたが、それでも主演の橋爪功さんや30人前後のスタッフの方が来館され、改めてドラマの撮影には労力と時間がかかることを実感しました。
      実際の放映で、門や建物がどのように映っているか楽しみです。

      ドラマの詳細は下記の通りです。
       

       
      「天才刑事・野呂盆六ファイナル 〜盆六 暁に死す!天才刑事vs. 英国帰りの双子の兄!謎の暗号「37564」?必殺の拳銃トリックを暴け!〜」
      監督:藤 嘉行
      放映日:9月19日(土)21:00〜23:06  ABC・テレビ朝日系列
      出演:橋爪功、東風万智子、平山あや、西田健、新井康弘、藤真利子ほか

      今回は「野呂盆六」シリーズ最終回で、橋爪功さん演じる天才刑事・野呂盆六の双子の兄も登場し、橋爪さんは一人で二役演じられます。
      当館は、難解な殺人事件が起こる豪邸の門と外観の一部として登場する予定です。
       
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      大谷石研究会

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        栃木県宇都宮市を拠点に活動されている大谷石(おおやいし)研究会の皆様がヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)にいらっしゃいました。来館されたのは理事長の小野口様をはじめとする9名の会員様方です。

        大谷石研究会は、2001年に「大谷石産業の再生」と「大谷地区の観光の振興」を目的に発足したNPO法人です。大谷石の多面的活用や栃木県宇都宮市大谷地区の活性化、観光面の環境整備を図るとともに、大谷石文化の研究、発掘、継承、普及に取り組んでおられます。
        全国にある大谷石を使用した建物の中から特に優れているものを『大谷石百選』として独自に選定されていて、その建物をまわる視察旅行の一環として、この度ご来館されました。

        ヨドコウ迎賓館 大谷石研究会
        ヨドコウ迎賓館 大谷石研究会

        ヨドコウ迎賓館では外装をはじめ、内部の柱や階段など至る所に大谷石が使用されており、『大谷石百選』にも選ばれています。
        当館では大谷石研究会様とかねてより交流があり、大谷石に関する様々な情報をご教示いただいています。昨年、スタッフの一人が宇都宮市を訪問した際には、採石場や建造物など大谷石に関するスポットを案内していただきました。

        一口に大谷石と言いましても、その色味や硬さなど、いくつもの種類があるそうで、会員の皆様はそういった視点で意見交換をされながら、当館の大谷石をとても興味深くご覧になられていました。
        小野口様は今回が初めてのご来館でしたが「内装・外装とここまで沢山の大谷石が国の重要文化財に使用されていることを嬉しく思います。」とおっしゃっていました。

        ヨドコウ迎賓館 フランク・ロイド・ライト

        当館だけではなく、旧帝国ホテルや自由学園明日館などフランク・ロイド・ライトの日本での業績には、同じように大谷石が多用されていて、大谷石は日本におけるライト建築を特徴づけるものの一つだとも言われています。
        軟らかく加工がしやすい材質で、独特の凹凸がある質感や暖かみのある色合いを持つ大谷石は、自然をテーマとしたライトの建築思想を表現するのにふさわしい石材だったようです。

        建築石材として古くから関東地方を中心に使用されてきた大谷石ですが、内装材として利用したのはライトが最初だったと言われています。
        現在では内装材に加えて、コースターや照明器具の素材に使用されるなど、新たな使用方法も増えてきています。もしかすると、皆さんの身近にも大谷石が使われているかもしれません。

        最後に、大谷石の産地で、大谷石研究会の本拠地でもある宇都宮市大谷町の、代表的な大谷石関連のスポットをご紹介します。

        大谷資料館
        <大谷資料館>
        元は昭和61年まで使われていた大谷石の地下採石場です。中はとても広く、戦時中は陸軍の地下倉庫や戦闘機の機体工場としても利用されていました。採掘道具や運搬具などの資料も展示されており、大谷石に関する歴史と変遷が学べます。現在では、コンサートや美術展の会場や、写真や映画のスタジオとしても注目を集めている場所です。
        http://www.oya909.co.jp/

        カトリック松が峰教会
        <カトリック松が峰教会(国登録有形文化財)>
        http://www2.ucatv.ne.jp/~matumine.sea/

        小野口家住宅
        <小野口家住宅(国登録有形文化財)>
        大谷石研究会理事長の小野口様の邸宅です。石造建築物6棟全てが文化財に指定されています。
        長屋門の一部は収蔵品の展示や芸術家の作品発表の画廊として開放されています。
        http://www5.plala.or.jp/toeido/
        ※内部の見学は要事前申し込み

        屏風岩石蔵 大谷石
        <屏風岩石蔵(栃木県指定有形文化財)>
        ※外観のみ見学可能

        大谷石研究会ホームページ
        http://www.ooyaishi.org/

         

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        F.L.Wright Trust ツアー

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          5月28日にFrank Lloyd Wright Trust(以下ライト・トラスト)主催のツアーで、26名の方がヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)にいらっしゃいました。

          ライト・トラストとはアメリカ・シカゴに拠点を置く非営利団体で、1974年に設立されました。主にオークパーク周辺にあるフランク・ロイド・ライトの作品を管理・保存していくことと、ライトの建築やデザイン・作品を世に広めることを活動目的とされています。管理されているライトの作品では、自宅兼事務所であったホームアンドスタジオやプレーリースタイルの代表作といわれるロビー邸が有名です。また、世界中の建築を巡るツアーを定期的に開催されています。

          今回は、日本にあるライトやライトの弟子達の作品、日本の著名な建築を巡るツアーで当館を訪問されました。
          日本はライトが母国のアメリカ以外で残した作品が唯一現存している国です。またライトは浮世絵のコレクターとしても知られ、日本文化に少なからず影響を受けていたと考えられています。もっとも、ご本人は否定されていましたが…。
          そのため、ライトファンや建築家にとって、日本は一度訪れてみたい場所として人気の国だそうです。

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          今回の参加者の中にはロビー邸でボランティアをされているという方もいらっしゃいました。
          参加者の皆様はとても熱心に館長の説明を聞かれていて、「この建物の代々の所有者について教えてほしい」「外壁はどういう手法で塗られているの?」「応接室の小窓はどうやって開けるの?」など、たくさんの質問を頂きました。



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          飾り銅板のデザインや大谷石に興味を持たれている方が多かったようです。
          竣工90周年を記念して復元した竣工当時の椅子に座って記念撮影される方もいらっしゃいました。

          ツアーの参加者の皆様は当館をとても気に入って下さっていたようで、中には次の目的地へと向かうバスに乗るときに「ここを離れたくない!」とまで言って下さる方も。
          この日は当館を後にされてから、ライトの弟子である遠藤新設計の甲子園会館(旧甲子園ホテル)へと向かわれました。

          トラベル・マネージャーの方によると来年もこのツアーを開催したいと考えられているそうです。今後、ライト・トラストと共同で何か素敵な企画ができれれば良いですね。
           
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          Discover Japan撮影

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            先日、当館で5月7日発売の雑誌「Discover Japan」6月号の撮影が行われました。



            来館されたのは、プラントハンターの西畠清順さんと花士(はなのふ)の珠寳(しゅほう)さん。
            今回当館は「花を伝える」職業をされているお二人が花を生け、対談をされる舞台となりました。
            「新しい生け花」をテーマに、西畠さんが世界各国から集めてきた植物を使って珠寳さんが花を生けられ、対談では花を届ける側、花を生ける側というそれぞれの立場から、花に対する想いを語られていました。

            今回西畠さんが選ばれた植物には、日本原産のものは一つもなく、あまり一般には流通しないような珍しい植物ばかりだそうです。
            館内に運ばれてきた植物を見た際、生け花の「和」のイメージとは結びつかず、どのような作品が出来上がるのかと楽しみにしながら見学していました。

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            二階応接室

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            三階和室

            珠寳さんがたてられた花の写真です。
            どちらも同じ花器を使用されているのですが、植物と背景が違えばこうも印象が変わるのかと感じられます。
            珠寳さんの作品は360度どの角度から見ても美しく、写真の角度でしかご覧いただけないのが残念です。

            実は前回のブログで、館内に花を生けてくださったのがこの珠寳さんです。
            今回撮影で使用された植物を用いて、撮影終了後に当館の花器に花をあわせてくださいました。
            日本では見かけない珍しい外国の植物が、決して目立ちすぎることなく館内の雰囲気にすっと馴染んでいて、これぞプロの技かと驚かされます。

            お二人の対談もとても興味深い内容です。
            植物がお好きな方も、そうでない方も、是非読んでみてください。
            雑誌の詳細はDiscover Japan公式ホームページをご覧ください。
            http://discoverjapan-web.com/

            また今週末の5月17日に、淡路島のアート山大石可久也美術館にて珠寳さんが献花をされますので、足を運ばれてはいかがでしょうか。
            詳細はアート山大石可久也美術館のホームページをご覧ください。
            http://www.eonet.ne.jp/~artyama/
             
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